2012年6月15日金曜日

耐用期限はとっくに過ぎた4万ものダムに決壊の危険性=中国

ダムが決壊すれば数万人が住居を失うことになる。中国ではその危険が目の前にせまっている。世界でダムをもっとも多く擁する中国で、現在、史上最大規模の危険性があるダムの補修工事が展開されている。

1950-70年代、中国は世界でダムがもっとも多い国になった。目下、8万7000カ所のダムに品質や建設レベルに問題があり、またほとんどが小型ダムの90%以上が土つくりのフィルダムだ。だが、当時の技術レベルや経済的な条件の影響で、多くのダムが存在し、ほとんどがそのころに建設されたものだ。その寿命はほぼ50年といわれており、基本的にその耐用期限は過ぎている。しかも、これから数十年使用するに当たり、必要とされるメンテナンス費用が不足しており、潜在的な危険性のあるダムは半分以上で4万カ所以上という。

この4万カ所を超える危険ダムのほとんどは広大な農村部に点在しており、また一部の県や市の上流に当たる。過去の統計によれば、全国で水没する中都市は285カ所で全国の都市全体の25.4%、同じく水没する大都市は179カ所で全国の16.7%を占める。

「古いダムの危険性は高い。一度、決壊すれば、家も田畑も工場も鉄道も、都市全体を飲み込んでしまう。
ダムの安全は今までの政府も重視してきた。」国家水利建設管理司ダム所の徐元明所長は「中国経済周刊」の取材に対し、重視しているものの、完全には避けられないと表明している。

全国のダムの半分に危険性1998年の長江洪水以降、水利部ではもう一度、全面調査に力を入れている。全面調査によれば、潜在的な危険性のあるダムは50%以上という。

重要度に応じて緊急性を鑑み、水利部門では計画を編成し始めている。最終的に2008年の「全国潜在的危険性のあるダムの補強工事計画(以下、ダム計画)」を発表、中国および世界でもっとも集中的で最大規模となるダム補強工事を開始した。

今までの3年間で、中国は620億元(約7440億円)以上を投資、7356カ所の潜在的な危険性のあるダムに補強工事を行い、ほぼ計画の目標を完遂している。

2011年、水利部は、補強工事により基本的に637カ所の県クラス以上の都市および1.61億ムー(1ムーは約6.67アール)の田畑、重要なインフラがダム決壊による洪水の危険性から開放されたという。これによりダム下流に住む1.44億人の生命および財産の安全も保障される。今後5年間で、中国は潜在的な危険性のあるダムすべての危険性を消滅させる決意だ。

2012年6月7日木曜日

ニセ菅ツイッター、少なくとも5人確認。

ツイッター上に現れた菅直人首相の偽者。現在は消えている 。140文字以内の「つぶやき」をネットで世界中に発信できる簡易投稿サイト「ツイッター」。

自分の考えを気軽に知らせることができる便利なツールだが、一方で常につきまとうのが真(しん)贋(がん)問題。ネット選挙解禁を目指す改正公職選挙法の議論でもこの点が課題になっている。

「これを機に始めることにしました」

ツイッター上に「kann_naoto」を名乗る人物のつぶやきが出現したのは民主党代表選があった今月4日頃。菅首相の顔写真も張り付けられていた。

「あの菅さんか」と勘違いしたフォロワー(閲覧者)はすぐさま約1万人に。だが、菅首相はツイッターで発信したことがない。

不審に思った民主党の藤末健三参院議員が4日夜、菅氏の秘書に電話し、なりすましが発覚。偽者は少なくとも5人確認された。藤末議員はツイッター上で「(菅さんは)まだ始めておられません」と投稿した。

そこで、民主党も、ツイッター上で、「ぜーんぶ偽者!!」と発信。さらに5日午後には報道各社に発表し、偽者たちは姿を消していった。同党広報委員会は「自由がネットの良さとはいえ……。悪意ある中傷や攻撃の場合は法的処置も考えなければ」とする。

ネット調査会社「ネットレイティングス」(東京)によると、国内のツイッター利用者は750万人(3月現在、パソコンのみ)を突破。メールアドレスさえあれば誰でも気軽に参加できるが、同時に、他人になりすますことも簡単だ。昨年12月には鳩山前首相の偽者が登場したほか、今年に入っては、東京大や早稲田大からの正式な投稿を装うケースも出た。

こうしたトラブルを防ぐため、米・ツイッター社は、有名人については認証制度を設けている。本名とメールアドレス、公式サイト、登録名などをサイト上から送信し、認められると、画面の右側に丸い緑のマークが表示される。

日本国内では、8日現在で国会議員19人を含めた52人・団体がお墨付きを受けた。しかし現在、与野党で90人近い国会議員がツイッターを使っているとみられ、認証はまだ5分の1程度だ。

今夏の参院選からネット選挙を解禁しようと、5月末、公選法改正案について与野党が合意した。だが、ツイッターについては、候補者が使うことを禁止はしないが、使わないよう自粛を呼びかけるという中途半端な取り扱いになっている。「なりすましによるウソ情報を防げない」という心配がその理由だった。

ツイッターに詳しいジャーナリストの津田大介さんは「ツイッターは、フォローするとメッセージが自動的に送られてきて、それが自由に引用され、広く波及していくメディア。それだけに、認証などで悪意あるなりすましを防ぐ仕組みが必要だが、一方で見る側もうのみにしないで冷静に判断する力が求められる」と指摘している。